Friday, September 18, 2009
Thursday, September 3, 2009
ミツバチ大失踪はウイルス 米大学が原因究明
ミツバチが大量に失踪(しっそう)する謎の病気CCD(蜂群崩壊症候群)は、ミツバチのタンパク質合成機能を「乗っ取る」ウイルスの大量増殖によって引き起こされている可能性がある-3日までに発表されたある研究で、こんな結論が出された。 米国科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載された同研究によると、CCDが観察されたミツバチの細胞内では、「タンパク質工場」として機能する細胞器官、リボソームが粉々になっていた。イスラエル急性まひウイルス(IAPV)や羽変形病ウイルス(DWV)といったウイルスがリボソームの異常を引き起こし、ミツバチの病気・ストレス耐性を低下させている可能性があるという。 米イリノイ大学の昆虫学者で同研究の共著者であるメイ・ベレンバウム氏はインタビューで、研究によってウイルスの大量繁殖がコロニー崩壊の引き金となっていることが示唆されたと説明。 「ミツバチのタンパク質合成能力は病気や栄養不足を回避し、体内の有害物質を排除する上で中心的な役割を担っており、今回の研究で示された筋書きには非常に説得力がある」と語った。 同研究の資金援助を行った米農務省によると、ミツバチは植物の受粉によって年間150億ドル規模の経済効果をもたらしている。ミツバチの大量失踪は2006年に初めて発生。その後少なくとも米国35の州、欧州、アジアで発生が報告され、ウイルス、ダニ、殺虫剤、成育環境などが原因だと考えられてきた。 その後養蜂(ようほう)家がミツバチの健康状態をより厳重に監視するようになったことで、CCDの発生件数は減少傾向にある。米農務省の統計によると08年9~09年4月までのCCD発生率は約29%と、07~08年の32%、08~09年の36%から減速している。 研究の共著者で米農務省所属研究者のジェイ・エヴァンズ氏は、養蜂業界でCCDが慢性化するにつれ年間損失は売り上げの約3割に上り、06年以前の病気・環境ストレス被害のおよそ倍にふくれあがる可能性があるという。 研究では米国東・西海岸双方の、健全なコロニーとCCDが起きたコロニーそれぞれからミツバチを採取し、その全ゲノム(遺伝子情報)を解析。ベレンバウム氏はCCDとリボソーム異常の関連性が解明できれば、CCDの早期診断に向けた今後の研究の方向性が定まると話す。 一方、米ペンシルベニア州立大学の研究者、デニス・ヴァンエンゲルスドロップ氏は、なぜCCDは06年に突然発生したのかという疑問は残されていると指摘。「体内のウイルス量が高いということは判明しているが、突然変化した要因が何かは不明なままだ」と語った。 (ブルームバーグ Alan Bjerga)